passions's blog

元塾講師・現家庭教師anデイトレーダーのおはなし

生徒の成績の成績を劇的に上げる、たったひとつの冴えたやりかた

 タイトルは嘘です。いや、成績を上げるのは嘘じゃないけど多分たったひとつじゃないしあんまり冴えてもないです。でもまあ、元塾講師・現家庭教師という立場から発言するにはそこそこ妥当性の高い内容だと思います。まあ、前置きはどうでもいいですね。読者もいないですし。

 その前に、おれの話をします。まず前提ですが、おれは空気が読めません。基本的に、みんなが「あっち行こうぜ」って言ってる時に「本当にあっちに行っていいんだろうか」と言い出す奴です。早い話がコミュ障です。これだと人付き合いが著しく困難になります。実際、著しく困難でした。おれが出会う人と敵対して仕方がないという事実に気が付いたのは中学2年の頃でした。中二病をこじらせてエヴァンゲリオンに乗れる年齢です。実際、当時はいじめられていました。一方で努力は報われる的な信仰を持っていたので欠点や短所は努力によってある程度、矯正できると考えていました。また、知らない事は大体本を読めば書いてある、という経験則を持っていました。結果、「敵を作らない方法」とか「人間関係がスムーズになる方法」とか、まあ多分PHPかなんかの本を買ってきて読むに至りました。
 これを読んで得た答えがたったひとつの冴えたやりかたになるわけですが、単純です。一回肯定します。「確かに」「そうだね」「分かる分かる」まあ肯定さえすればあとはなんでもいいです。一回肯定する以外にも色々書いてありましたが覚えてません。大事な話と儲かる話以外に興味はありません。知ってる?ありふれてる?うるせえ。きちんと実践できるようになるまでは1年弱かかりましたが、これをやったら驚くほど人間関係がうまくいくようになりました。どのくらい上手くいったかというと、中2の終わりにクラスみんなでメシを食いにいこう、もとい酒を飲もう、という企画に誘われるほどに上手くいきました。逆にこれをやってないと敵対してしょうがないです。やってない経験値だけは負けない自信があります。


 っで本題に入ります。応用します。一回肯定する、を生徒に大して使うときにはどうしたらいいか。 おれは基本的に頭から「間違ってる」とは言いません。頭からどころか、場合によっては最初から最後まで「間違ってる」とだけは言いません。だって嫌じゃないですか、間違ってるとか言われるの。言われる度に自信を失っていく感じがするじゃないですか。だから、どんなに珍妙な国語の記述や英語や数式を見てもホメるところを探します。記号問題であっても、です。対生徒のおれの口癖は「すばらしい」です。

 そもそもですね、塾で発言やら質問やらをするというのは非常に難易度が高いんです。間違っているかも知れない、バカだと思われたらどうしよう、他の人の邪魔にならないかな、なんて思いながら口を開くわけです。分からない、と言うのって大変なんです。『「わからない」という方法』いい本だったなあ。橋本治はあんま好きじゃないけど。だから発言をしただけで素晴らしいに決まってます。ゆえに、あらゆる質問は良い質問なんです。

 家庭教師の場合はおれ自身、家庭教師に教えてもらった経験がないのでなんとも言えませが、質問するのがハードルが高い傾向にはあるようです。まあこれは生徒との関係によるのでしょうが。あ、脱線しますがもちろん叱るときは叱りますよ。例えば教科書を学校に置いてきたとか、正当な理由がなく宿題をやっていないときとか。できないのは仕方がないがやらないのはダメでしょう、っていうのが基本的なスタンスです。テスト二日前なのに教科書置いてきてんじゃねーよ!バカタレが!
 話を戻して、とりあえず素晴らしいって言ったあと、直すところは「こうするともっと良いね」のカタチで直します。「ここがダメだね」という言い方はしません。普段のおれとはまるで別人のようです。 僅かな体験による経験則ですが、こっちの方が生徒の成績は伸びます。割と圧倒的な差があります。塾講師始めたばかりの時は全然わかってなくて苦労しました。

 

 でも問題があってこれって実験できないんですよね。同じ人を叱って育てたら、って結局妄想でしかあり得ないんです。子どもを集めて叱って育てるグループと褒めて育てるグループに分けて10年くらい、なんて考えることもありますがほとんど人体実験です。社会的に許されないでしょうね。『MONSTER』を思い出しました。